
あけましておめでとうございます。
今年は「乙巳(きのとみ)」の年、すなわち「ヘビ年」でございます。干支の組み合わせは60年周期で繰り返され、「乙巳」は調和と成長を象徴する良い年とされています。
マーキュリアは今年、創業20周年を迎えます。2005年の創業からリーマンショックを乗り越え、東証上場、そして2025年の現在まで、多くの挑戦と成長を遂げてまいりました。これもひとえに皆様のご支援のおかげであり、心より感謝申し上げます。
次の10年間に向けて、社員の数も増え、成長の担い手の世代交代も期待しています。まさに、ヘビ年における脱皮ができるか、新たな10年間のための礎を築くことができるかが勝負の年です。今や基幹ファンドとなったバイアウトだけでなく、航空機や再生可能エネルギーなどのファンドも二巡目に入っています。タイ事業はベトナムへと拡がり、香港に上場しているSpring REITも、中国市場への戦略集中を進めて参ります。
リスクの面では、ロシアのウクライナ侵攻、ガザ地区、トランプ政権の発足、西側各国における政権交替の動きなど地政学に関する緊張や不確実性が高まっています。しかし、投資における王道は、実需のあるものです。世界が分断されるからこそ、サプライチェーンの強靭化が必要となります。また、インフレによって貨幣価値が懸念されるからこそ、不動産に加えてインフラや航空機といった実物資産、それからサプライチェーンに根差した企業への投資が求められます。これらの投資は、いずれも非伝統資産、すなわち我々オルタナティブファンドの領域となります。これまで「国・心・世代」といった壁に挑戦してきましたが、次のチャレンジは「市場の壁」です。「流動性市場」と「低流動性市場」、「債券資産」と「実物資産」、「プロ投資家」と「一般投資家」など、「市場の壁を超えたリスクマネーの資金循環を創出する」ことが我々のミッションです。
20年の歴史を経て、マーキュリアグループは次のステージに進む準備を整えつつあります。上場企業であるマーキュリアホールディングスが培ってきたプラットフォームとしてのリソースを活用し、運用市場における信頼を獲得し、次世代を担うリーダーが競争力のあるファンドを世に問うて行けるようになることを目指します。世界情勢が激変する中においても、金融がより良い世界を作るために役立つことを信じ、柔軟かつ迅速に対応しながら、長期的なビジョンを持って邁進して参ります。
2025年 元旦
代表取締役 豊島俊弘